家の外壁を塗り直す必要性が生じた場合など、その壁の下地素材を考慮することが重要です。
そのうちの一つとして、住宅やマンション、工場などの外壁に用いられることが多い建材であるALCパネルが挙げられます。
ALCを日本語に直訳すると、オートクレーブ処理を施された軽量のコンクリートという意味であり、珪石やセメント、生石灰、アルミ粉末などを主原料として、パネル状に整形した軽量気泡コンクリートです。
1920年代にスウェーデンで開発されて以来、ヨーロッパを中心に普及し、1960年代には既に日本にも紹介され、それ以降、60年にわたって人気のある建材として利用されています。
ALCパネルのメリット
ALCパネルを使用する最大のメリットは、コンクリートと比べて4分の1程度であるその軽さにあります。
外壁の建材が軽いと、それだけで建物全体にかかる負荷を軽減し、地震の発生時にもその揺れの影響を受けにくくなり、その結果として高い耐震性につながることも知られています。
さらに、鉄筋などの金属を内包して補強されているために耐久性も高く、コンクリートの一種でもあるので耐火性も強力です。
万が一火事になっても燃えにくく、さらにホルムアルデヒドなどの有毒なガスも煙も出さないので、国土交通省から耐火構造建材としての認定も受けています。
そして、ALCパネルが持つ無数の気泡は、その空気の層によって音を吸収することで防音性を高め、同時にコンクリートと比べて約10倍の断熱性を発揮します。
その結果、室内の音は外に漏れにくく、外界の騒音を遮断し、室温調整がより簡単になるという、快適な居住性を得られることにつながります。
ALCパネルのデメリット
ALCパネルのデメリットとしては、まずなんといっても水に弱いという特徴があります。
軽量化・防音性・断熱性を担保する気泡は、吸水性が高いという面も持ち合わせているため、過剰な水分吸収は外壁にひび割れを生じさせる原因となります。
さらに、パネルを組み合わせるために接合部が多くなる特徴もあり、ここから水分が染みこむことで同じように外壁のひび割れにつながります。
また、その品質の高さが保証されているゆえ、高額な建材であるという側面もあります。
そのため、ALCパネルの外壁塗装には、つなぎ目部分の補強を行うシーリング処理や、最も適した下塗材・上塗材を選択することなど、専門家のアドバイスや施工が欠かせません。
松江市の塗装業者・株式会社錦では、ALCパネルの特性を考慮したうえで外壁塗装を行っておりますので、ぜひご相談ください。